「お前、あれはやりすぎやって! 俺が好きなん…バレるやんか」
幹と雪奈がトイレで言い合っている頃、拓馬と和貴は自動販売機にもたれながら…話し合っていた。
「あほう。それぐらいせな、前に進まんやろ」
拓馬は、消極的な言葉を強気に跳ね返す。
「最初は、強引なくらいでええねん。そうせな…向こうの目に自分は映らんぞ。まぁ、任せとけって! あの子、絶対お前のこと気にしだすから」
自信に満ちた笑顔で、説得していく彼。
和貴は、彼の目をジッと見て、ニンマリと微笑んだ。
「…そうやな。…マジで頑張ろかな」
手にしていた缶ジュースをグッと飲み干して、彼は消極的な自分を捨てていく。