…自分以上に、雪奈は顔を真っ赤に染めて…涙を流している。
幹は、彼女を黙って見つめ…ため息をついた。
「なんで、あんたが泣くんよ。泣きたいのはこっちやわ…。良いやん…良い感じやんか」
そう言って、幹は鞄からハンドタオルを取り出し、雪奈に差し出した。
そして、洗面台に飾られた鏡を横目で見る。
映っているのは、背の低い童顔の雪奈と…正反対の自分。
…当たり前の結果やよな。
幹は、目の前で泣きじゃくる彼女をうらやましく思った。
彼は、やっぱり…雪奈みたいな子がいいんや。
一粒の涙が、ゆっくりとこぼれ落ちた。