「…最低やな! 友達やのに、好きなこと隠して! こっちは、ちゃんと言うてんのに!! アホやん! あたし、アホみたいやんか!!」
幹は目に、大粒の涙をためた。
すると、うつむいていた雪奈は顔を上げ、キッとにらみつけてくる。
「よぉ言うわ! それはこっちの台詞や! あたしは、入学したときから好きやったのに!! 後から好きになったくせに、美衣子ちゃんと2人で盛り上がったりして、あたしの気持ち無視してるの、幹やんか!!」
言い争う2人の声が、タイル状の狭い空間で激しく飛び交う。