取り出し口からポトリと落ちたシールを手に取る拓馬は、何かを思いついたかのようにニンマリと笑みを浮かべた。
「じゃあ、次は木村さんと和貴が一緒に撮れば? 俺、コイツと撮るから」
そう言って、雪奈を指さした。
彼が突然出した提案に、幹の笑顔は一瞬で乾いた。
目の前では、自分の返事も聞かずに事が進められている。
また、雪奈も思いがけない展開に、うれしくもありながら、幹の目を見ることができなかった。
彼女たちの間に、目に見えない雲が覆い被さっていく。
「じゃあ…撮ろか」