幹は、家に帰るとソファーに鞄を投げつけた。 「…雪奈のアホ」 気分転換にテレビをつけて、クッションで顔を覆う。 …イライラした気持ちが込み上げてくる。 テレビからの笑い声は、全く耳に入っていなかった。 一方、雪奈は家にまっすぐ帰らず、公園のブランコに腰掛けていた。 「なんで…一緒なん」 そうポツリとつぶやいて、プリクラを眺める。 初めて一緒に撮ったプリクラは、写り具合なんか関係なく…宝物になっていた。