授業をサボってきた彼女たちに、拓馬はケラケラと笑いかけた。
「だって“テスト前やから自習”とか言うんやもん。てか、皆でプリクラ撮ろうよ!」
雪奈は腕を引っ張り、彼を立たせる。
「あの子も、これくらいノリ良かったら…ええのにな」
拓馬は、和貴にささやいた。
「ええねんて。あれが、また…いい感じやねん」
和貴はニンマリとした顔で、うんうんとうなずく。
…入学当初から、和貴は、幹に恋をしていた。
だが、内気な彼は、アプローチの1つもできずにいた。
世話やきの拓馬は、そんな彼の頼みを受け入れ…幹に声をかけるようになったのだった。