太陽と月(第3章まで公開)

制服を脱ぎ捨てて、クローゼットに手を伸ばす。
「これでいいかな?」
迷った結果、手にした服を体に合わせ、鏡の前に立ってみる。
そして、目の前の自分を見つめ、ため息をついた。
幹は、雪奈が残した余韻を胸に、しゃがみ込んだ。
「…なんで、そんなん言いだすんよ」
頭の中で、“独りで過ごす”と言った彼の横顔がよみがえる。
…あたしは振られてるんやで?
…無理に決まってるやん。
胸の奥に秘めていた想いは、不安定にあふれてくる。
「…無理やよ」
…和貴に、何て言えば良いんよ?
…拓ちゃんかって、嫌がるに決まってる。
…もう、いまさら…どうしようもない。
和貴を隣に置いた自分に、嫌気がさしてくる。