「最近さぁ、井坂とマキって…怪しくない?」
「あ、美衣子も思ってた? 実はあたしも“出来てんちゃん”とか思っててん」
「やでなぁ! なんか、やたら仲良いし」
「付き合ってんかなぁ?」
休憩時間、体操服に身を包んだ幹と美衣子は、小声で盛り上がりながら、教室へと向かっていた。
最近の2人は、会話の9割がピンク色。
常に恋の話ばかりしている。
「あ、体育やったん?」
教室に入ろうとしたとき、後ろから声をかけられる。
2人は足を止め、振り返った。