「ほんまごめんなぁ!!」
いつも終礼が終わると、太田雪奈は教室から一番に飛び出してくる。
「ええよぉ。しかたないやん」
毎日廊下で幼なじみを待つのは…木村幹。
小学生の頃から大人びた外見の彼女は、中学1年生といえども…そうは見えない。
「ほぉんま、なんでウチのクラスだけ遅いんやろぉ。…毎日毎日、くだらん話ばっか!」
落ち着いた幹の隣で、口をとがらせて愚痴をこぼすのは…雪奈。