2人が付き合った…思い出の場所で、冷たく流れる重たい空気。
「…意味わからん」
佳奈は、面倒くさそうにそっぽを向いた。
彼女の態度に、イライラした表情を浮かべ、拓馬は歯を食いしばる。
「おまえがわからんわ」
彼は冷たく、その言葉を吐き捨てて、彼女を置いたままスタスタと歩きだす。
「…ムカツク」
廊下に散らばる生徒たちの間をすり抜けて、拓馬は教室に向かった。
…なんで、俺と過ごさんと…他の男と遊ぶねん。
しかも、クリスマスやろ!?
…どんな神経しとんねん。
文句を言っても通じない彼女に、モヤモヤとした感情が心を支配していく。