「は? …何言うてん?」
「なんで怒るんよ? 別にやましいことちゃうやん。マキの…」
「ふざけんな!!」
冬には珍しい暖かな日ざしの下で、拓馬の怒鳴り声が響き渡る。
彼の声をうんざりとした様子で、髪をかきあげ…佳奈はため息をついた。
「なんでクリスマスに、ほかの男と過ごすねんて?」
「…だからぁ、ほかの男とか、ちゃうやん。マキの彼氏が“皆で遊ぼう”言うから…」
「一緒やんけ!」
昼休み、2人は、毎日校舎の端にある階段で、時間を共にしている。