…ひんやりとした瞳で、幹は開き直った。
その言葉を置いて、彼女はスタスタと立ち去っていく。
地に足がはりついたかのように…動けなくなった彼に、雪奈が近づいていく。
「なに、彼氏ヅラしてん」
…小馬鹿にした台詞。
雪奈は、和貴をきつくにらんだ。
…取り残された和貴は、歯を食いしばった。
…ガタンッ!!
彼は悔しい気持ちをぶつけるかのように、目の前の靴箱に、勢いよく拳を打ちつけた。
「…くそっ」