「変なもん見ながら言うな」
和貴は立ち上がり、彼から本を取り上げた。
「なんなよぉ、別に想像とかしてないやんけ。てか、おまえがそれ見ながらしてんちゃん?」
ケラケラと笑いながら拓馬は起き上がり、ムスッとした表情で…煙草に火をつける彼を横目で見た。
「横取りされたくないんやったら、クリスマスぐらい誘ったらええのに」
拓馬は、あきれた顔でささやいた。
その言葉に、和貴は余裕の表情を浮かべる。
「言われやんでも、とっくに誘っとるわ」
白い煙を勢いよく吐いて、にんまりと微笑む。