…一方。
「え?」
和貴は、部屋のベッドから起き上がった。
「だから、植田が、幹ちゃん狙ってるんやって」
拓馬は寝転がり、エロ本を眺めながら答える。
「…誰から聞いたん?」
「本人が言うとった」
思わぬ拓馬からの情報に、和貴は真顔になった。
「そら、モテるやろ。おまえかって、最初は顔からなんやし」
そう言って、拓馬はゴクリとジュースを飲み干した。
和貴は不機嫌そうな表情を浮かべ、眉間にシワを寄せる。
「スタイルもえぇしなぁ、あの子」
ヒジをつきながら、拓馬は再度…本を読みだす。