太陽と月(第3章まで公開)

少々、不満げにため息をつきながら、拓馬は答える。
その時、幹の中で小さな感情が波を打つ。
…一緒に過ごさへんの?
だからと言って…自分がどうなるわけでもないが、そんな…ちょっとしたことで表情が明るくなっていく。
「和貴と過ごすんやろ?」
雪奈の向こうから、拓馬はひょこっと顔を出してくる。
幹は、頭の中で昨日の和貴との約束を思い浮かべる。
「アイツ、何も教えてくれやんからさぁ。ぶっちゃけ、付き合ってるん? 2人は」
興味津々に問いかけてくる彼に、幹は少し迷いながら答えた。
「クリスマスは1人で過ごすよ。…付き合ってるとかじゃないし」
罪悪感から逃げるかのように…うつむいて。