太陽と月(第3章まで公開)

「こんなんしかないけど」
女の子らしくヌイグルミが飾られた部屋でくつろいでいると、お盆を手にした美衣子が現れる。
「ええよ、ありがと」
3人は、テーブルに置かれたジュースとスナック菓子に、手を伸ばした。
「もうすぐクリスマスやなぁ」
年末を目前に、美衣子がポツリとつぶやく。
その言葉に、輝緒がにこやかに微笑む。
「どっか…行きたいとこある?」
「なんか、ツリーが飾ってあるとこ行きたい」
“一緒に過ごすのが当たり前”と決定された2人の会話を聞いて、和貴が幹に声をかけた。