太陽と月(第3章まで公開)

「…はぁ」
ため息と同時に、自分を想っていた2人の顔が頭に浮かぶ。
こんな俺の…どこが良かったんやろか。
「拓ちゃん!」
不意打ちに呼びかけてくる女の声に、拓馬の鼓動は急激に高鳴った。
ゆっくりと振り返れば、そこには白いタオルを首にかけた…好きな子の姿。
「…武内」
「見たで、モテモテやな」
赤面する彼の隣に、佳奈は腰を下ろした。