太陽と月(第3章まで公開)

「…なんかあせった」
拓馬と和貴は、校舎の端にある階段で座っていた。
「めっちゃ人がおるのに、告ってくるとか…ビビるって」
彼女の告白に、驚きを隠せない彼の言葉を聞き流すかのように、和貴は無言になる。
「…あの子、俺のこと…好きやったんやな。てっきり、おまえと良い感じなんやと思ってたし」
こいつ…自覚してないんか?
…自分の言葉が、俺の気持ちを傷つけてることに。
和貴は、ヒザの上に置いた両腕の中で、歯を食いしばった。