このままじゃ…あかんやろ。
「2個ちょーだいっ!」
ドア際から聞こえてくる声。
振り返ると、拓馬と和貴の姿があった。
幹の胸は大きく高鳴りだす。
「中西くん、2個も食べんの?」
テーブルにもたれかかる彼に、美衣子は声をかけた。
「うん。ちょっと体力つけなあかんから」
「意味わからん」
2人が話す中、和貴が幹の前に立つ。
「1つ…ちょうだい」
彼は、少し気まずそうに…食券を差し出した。