あわただしく、文化祭の準備に追われる毎日。
その間、幹は自分の持つ感情に苦しめられていた。

文化祭当日。
「なんか、性格…出るよなぁ」
むさ苦しい熱気の中で、美衣子はたこやきをマジマジと見つめる。
「何が？」
「いやぁ。なんか…幹の作ったたこやきって、神経質なくらい真ん丸やん？　あたしのたこやき…なんか汚いし」
そう言って、たこやきをクルクルと転がす美衣子。
「“心の清らかさ”が表れてんちゃん」