人影のない…裏庭の片隅に、2人の影が映る。
雪奈は、彼の言葉に、何も答えることができなかった。
…手のひらに、じんわりと汗がにじんでくる。
「……俺な」
気持ちにこたえてあげられない自分に、拓馬は言葉を詰まらせた。
「…もう良いねん。無理なんはわかってるし」
それ以上…聞きたくない。
…傷つきたくない。
雪奈は、自分を守ることで…精一杯だった。
「……ごめん」
拓馬は、顔を伏せて…瞳を閉じた。