「…ごめん、バイバイ」
拓馬は目を伏せたまま、再び…彼女を見送ろうとした。
「…ちゃんと返事してあげて」
うつむいたまま立ち尽くす拓馬に、幹はささやく。
彼は、ふと…顔を上げた。
「結果どうあれ…言うてあげて。…そしたら、元気になると思う」
雪奈は、あたしと違って…ちゃんと勇気を出した。
結果はわかっていても、やっぱり本人の口から聞きたいはず。
「…そやでな。…うん、ありがとうなっ!!」
幹の言葉で、迷っていた気持ちに…拓馬は決意をした。
そんな彼の姿に夕陽が降り注ぎ、笑顔は赤く染まっていく。
幹は、彼と手を振り合いながら、歩きだした。