太陽と月(第3章まで公開)

明るく答える拓馬に腹を立て、和貴は不機嫌な顔になる。
それぞれの思いを秘めたまま、3人はゆっくりと校舎を離れた。

「あ、ジュース買いたい」
ゲーセンへ到着するなり、幹は視界に入った自動販売機へと走った。
…妙にうれしそうな表情をする幹に、和貴は下唇をかんだ。
「任せろって」
和貴の落ち込む姿を見て、拓馬がささやく。
「俺もアホじゃないんやから、気は利かすって」
ムスッとした顔の彼に、拓馬は笑みを振りまいた。
だが、和貴の表情は余計に悪くなる。
彼は、拓馬に背を向けた。