太陽と月(第3章まで公開)

何も知らない拓馬は、ニンマリと微笑み、冷やかした。
「…うるさいわ」
イライラがおさまらない和貴は、小さな声でそう答え、席から離れた。
取り残された拓馬の顔に、笑顔が消えていく。
「武内さん…誘え…か」
視線の先には…雪奈の姿。

放課後。
「…で、なんでおまえだけ?」
賑やかに校門をくぐり出る生徒たちを横目に、和貴はあきれた声で問いかけた。