「・・・アイツから、何も聞いてないん?」


少し間を置き、彼はぎこちない表情で舞に問いかけた。


「アイツって?」


気になる言葉に、顔をかたむける彼女。

テルオはふと我に返る。


「・・・ん? いや、俺ほんま1人やで。だから今も、めっちゃ緊張してるし」


再び、いつもの優しい笑顔へと戻る彼の表情に、一瞬嫌な予感が走る。

そのとき、2人の空気を打ち破るように、シールが機械の取り出し口に落ちた。


「お! 出た出た」


話を切り替えるように、テルオはシールを手に取る。