舞の姿に気がつき、笑顔で祝福する美衣子。


「ありがと! なんかな・・・」


素直に喜ぶ舞は、昨日のテルオとの電話の会話を報告しようとした。

ところが美衣子は、眉間にシワを寄せてつぶやいた。


「・・・ごめん、またあとで聞くわ」


そっけなく教室から出ていく彼女。

・・・美衣子が冷たい。

舞は、彼女の自分に対する態度に、異変を感じた。

だが、深く考えるわけでもなく・・・今機嫌が悪いんかなと思う程度。

その後も、舞は美衣子と一緒に行動するのだが、彼女の様子は何かが違う。それでも舞は、それを見て見ぬフリをするだけで、美衣子の中で変化するものに、気づくことができずにいた。