「…ええから」


舞に見られないように、彼はグッと涙をこらえた。

かすかに震える彼の手から…伝わる想い。

…舞の目は、こらえるどころか…よけいに涙があふれ出していく。


「…夏休みんとき、この場所で日向に…“頑張れ”って言うたでな。…悪いけど、今は言わんで」


それは、最後に1つだけ見せた……彼の本音。