自分は弱っていた心につけ込むようにして…今舞の隣にいる。

…完全に忘れていないことぐらい、知っている。


「それで？　…戻りたい？　俺と別れたいん？」


あせった彼は、余裕をなくし…責めるように問いつめた。


「…別れたいとかちゃうけど…」


眉をひそめる彼を見て、舞はうつむいた。

勇心は無我夢中で舞につめ寄り、両腕を強くつかんだ。


「…痛っ」


強い力に捕えられ、痛そうに目を細める舞。


「ハッキリ言うたらえぇやん！　なぁ？　俺じゃ駄目なん!?」


いつも落ち着いている彼のあせり狂う姿におびえ、舞は声が出ない。