再び車に乗ると、彼は運転しながら舞に話しかけた。


「・・・やっぱ笑ってるほうがええで」


突然ささやかれた一言に少し口を開く舞。

彼の横顔を見て、昨夜の純子の言葉を思い出す。


「・・・うん」


雄大に広がる草原を、ぼんやりと眺め・・・舞はツバをのんだ。


「ライオンにまで、エサやれるんやってよ!」


空気を重たくさせないように、気遣う彼。

舞いも同じように、明るく接していく。

2人はフェンスの上から、ライオンに向けて肉を落としていく。


「おっ、食ってる食ってる!!」