天使がくれたもの(全編公開にします)

夕陽を反射し、細やかに色を変えて映し出す・・・まぶしい海。

舞はコンクリートに腰を下ろし、黙って景色を眺めていた。

・・・アイツがいた白浜。

切ない表情を浮かべる彼女の隣に、ドカッと座る勇心。


「・・・飲む?」


我に返る彼女に、彼はスッと缶コーヒーを手渡した。

栓を開ける彼女を、静かに横目で見つめる彼。

海辺では、伸哉と純子が子供のようにはしゃぎ回っている。


「・・・岸田ってさぁ、アイツのこと好きって丸わかりやな」


2人の様子を眺め、彼はクスクスと笑いかけた。