天使がくれたもの(全編公開にします)

「そろそろ帰ってくるんちゃん? カグ」


休憩時間、美衣子はプリクラを切りながら舞に話しかける。

舞は無言で、もらったプリクラを1枚1枚手帳にはっていく。

美衣子はハサミを持つ手の動きを止めて、上目遣いで彼女を見つめた。


「・・・あのさ、カグとなんかあった?」


ハサミを机に置き、身を乗り出して顔をのぞき込む美衣子。


「・・・なんもないよ。・・・てか連絡取ってないし」


舞は目を合わさず、淡々と答えた。


「なんで? 好きなんやろ?」


彼女は、舞の言葉に眉をひそめた。


「連絡ないし、かけても出たこと一度もないから。もういいねん」