彼女の訴えを貫くように、自分の決断をハッキリと伝える拓馬。


「そんなん・・・」


表情を崩し・・・言い返そうする彼女の両手を、拓馬は優しく・・・力強く握りしめた。


「だからな、おまえの子やろ?・・・なんで自分の子を、大切にせえへんねん? それとも、俺が親になるの嫌か?」


まっすぐ幹を見つめる・・・彼の瞳。

握られた両手に、幹は顔を埋め・・・泣き続けた。


「・・・嫌じゃないんなら・・・俺に愛させてや、腹ん中の子供」


そんな2人を黙って見つめていた舞は、そっと美衣子に肩をたたかれた。