彼の言葉に、幹は再び涙を流した。

また舞と美衣子も、黙って彼女を見つめていた。


「・・・だから、産めよ」


彼は、静かに彼女の前に腰を下ろした。


「・・・意味わからん。なんで、それで“産め”になるんよ?」


彼の言葉が理解できず、舞は眉をひそめて問いかけた。


「俺が・・・俺が親になったる」


凛とした迷いのない表情に、3人は驚いた。


「アホ言うな! んなこと・・・」

「おまえの子やろ!? 俺の子ちゃうかっても、幹の子供やろ!?・・・そやったら、俺は愛せるよ。・・・まだ18ちゃうから結婚できやんけど、働いてるし・・・面倒見れる。・・・だから罰とか言うなや。俺とおまえで愛したろや・・・産もうや。俺の子はいらんし、その腹の子が俺の子や」