・・・もうお互いに、何も想っていないと思ってた。

友達関係に戻って、それがすごく楽で・・・楽しくて。

それに、あたしは・・・もうほかの人を好きになっている。

舞は、両手で顔をおおった。

・・・声が、出ない。


「・・・嘘ちゃうよ。あたしはな、勇心でもその岸和田の子でも、どっちでもいいねんよ。舞、あんたが幸せなら・・・誰でもえぇねん。・・・しんどいなら、幸せになれるほうを選んでほしいなって思う。心から笑ってない笑顔ばっかり・・・見たくないって」


純子の真剣な瞳。

・・・複雑に交差する、様々な想い。

・・・黒く広がる夜空を映す海は、舞の気持ちを表しているように見えた。