舞は、ヒザの上で静かにうなずいた。


「・・・しんどくならんの?」


切ない顔で、問いかけてくる純子。舞は、一点を見つめたまま・・・ゆっくりとまぶたを閉じた。


「・・・そら、しんどいやろな」


声を出さなくても・・・伝わってくるさびしさ。純子は、ポツリとつぶやいた。

2人は、華やかに燃え盛る花火を、ボーッと眺めていた。

純子は舞に最後の線香花火を手渡すと、深呼吸をして・・・こう言った。


「・・・最近な、勇心から電話があるねん」


舞は、目を丸々と見開いた。


「マジで!? 勇心って純子のこと好きなん?」


ニンマリとゆるみだす口元。