天使がくれたもの(全編公開にします)

最後に会った・・・あの夜、耳にふれたカグの指先。

・・・ふと思い出して、思わず顔を赤らめる。


「・・・そっか」


浮かれる彼女の横顔を見つめ、勇心は無口になった。


「たぶんな、あたしの気持ちはバレてると思う。でも今白浜で働いてるから・・・会えんやし、連絡もまったくない」


浮かれていたかと思えば、一気に肩を落とす彼女。

勇心は彼女の横顔をチラッと見つめ、背中をポンと軽くたたいた。


「・・・・・・頑張れ」


舞は彼の顔を見上げた。


“ガンバレ”


勇心の口から流れた・・・その4文字の言葉は、マイナス思考だった気持ちを、大きくプラスに変えるものだった。