・・・勇心や。

無意識に、姿勢を正す彼女。


『あ・・・葉山やけど。何してた?』

「え、何もしてなかったけど。・・・なんで番号?」

『あぁ、岸田に聞いたねん』


一瞬で、脳裏に開かれる図。

純子―伸哉―勇心

・・・純子の野郎、ちゃっかり連絡取ってるし。

舞は、あきれた表情を浮かべた。


『何もしてないんやったら、今から出てこぉへん? ちょうどな、用事で日向んちの近くにおるねん。今、家におるんやろ?』


・・・元彼の勇心からの誘い、舞はぼんやりと窓の外を眺めた。

・・・どうしようかな。