…どうしてキミは今、そんな顔をしているんだ…？



気まずいと言わんばかりのその表情。



目を泳がせたり、髪を触ったりして、どこか落ち着かない様子。



それは郁也の時とは違う。



成海さん…もしかして……？





「あ、例の瑞樹の彼女？」



達也がかまわずにやりと笑ってきいてきた。



「…何の例だよ。友達の成海さん」



とりあえず当たり障りのないように紹介。



「なんだ、友達かよ。確かにこんな可愛い子、瑞樹にはもったいないよな」



なんて言って何でもないように彼女に笑いかける達也。



成海さんの顔が、一気に紅くなった。





……胸がざわざわする。



さっき感じた予感が、俺の中で少しずつ現実味を帯びてくる。



…誰か…違うって言ってくれ…