「わぁ寒ーい…!」
ゲートをくぐって砂浜に入った瞬間、成海さんが身を縮ませながら叫んだ。
彼女の言葉通り、沖から吹く潮風が凍えるように冷たい。
「冬に来たの、やっぱり間違いだったかな?」
「え?」
「だってわたしたちの他に誰もいないもん」
そう言って困ったように笑う成海さん。
…やっぱり成海さん、俺と2人きりってあまりいい気しないのかな…?
「…ごめん、誰か他に友達とか呼べばよかったかな。知り合ってまだ数日なのに、2人きりなんて気まずいよな」
「えっ…!?」
なんだか申し訳なくなって謝った。
俺の言葉に反応した成海さんが、どこか焦った顔で俺を見る。
少し目を泳がせながら、何か言葉を考えているよう。
…あぁ…逆に困らせちゃったかな…?


