「瑞樹くんはいつなの?」
成海さんが俺にきき返してきた。
「3月10日。
俺は春休み前だからぎりぎり祝ってもらえるよ。…と言っても、男同士じゃ大したことはしないけどね」
そもそも自分の誕生日なんてあまり意識したことないや。
「じゃあ来年はわたしが盛大に祝ってあげるね」
「はは、本当かなー?」
同じように言ってくれた成海さんに、俺も真似をして答える。
「きっとね」
…あれ。“本当”とは言ってくれなかった…
ま、先のことなんてまだ分からない、ってことなのかな?
「俺、誕生日に彼女がいたことないんだ」
人生全般でいたことないけど。
「そうなんだー」
多少の期待を混じえた俺の発言に、成海さんの答えはあっさり。
ちょっと落ち込む…
ていうか成海さん、俺に全く興味ないのかな…


