「お前は何も知らないんだな」



そう言ってまた不敵に笑い、俺の肩を掴む兄貴。



―――ダンッ


「…ッ!!」



気付いた時にはもう上下反転。



一瞬で組み敷かれてしまった。




「デタラメ言っちゃダメだろ?」



俺を見下げる男から、まっすぐと言葉が降りかかる。



容赦なく突きつけられた兄貴の威厳に、返す余裕がない。



押さえつけられた手首がじわりと痛い。