走って、 走って、 ただひたすら走って——— 俺はこけた。 「おい、大丈夫か!?」 「…っ」 長ズボンを履いていたって、所詮布1枚。 膝からは真っ赤な血が流れ出る。 思いっきり走っていた分、思いっきり擦りむいた。 「みずき、いたい?」 心配そうに海斗くんが見つめてくる。 「…ううん…大丈夫」 本当はすごく痛いけど、俺は立ち上がった。