「ゆず…「おい、なんの騒ぎだよ」



海斗くんの言葉を遮るように、今頃起きてきた郁也の言葉が飛んできた。



「あ、起きたんだね、おはよう」


「おはよ。…って、この前の男の子じゃん」


「海斗くんだよ。
海斗くん、この人は俺の友達の郁也だよ」



直接会うのは初めての2人に紹介した。



「このおにいちゃん、たつやくんとにてる…」



郁也の顔をまじまじと見て海斗くんが呟いた。



「達也?それは俺の兄貴だよ」


「じゃあおにいちゃんもゆずちゃんのおともだち?」


「は?…友達?…え、いや…」



海斗くんの純粋な質問に、途端に困り出す郁也。



…いくら成海さんを嫌っているからって、さすがにこの子の前でそんなことは言えないよな。



いっそのこと知らないとでも言えばいいのに、そうとも言わなかった郁也は、案外素直な奴だ。