兆志の表情から笑みが消えた。

「おかしいでしょう?…大学生にもなる義理の娘がいるにしては、因幡先生の容姿は若すぎる…少なくとも人間ではありませんよね…そこで私は仮定したんです…」

いつもクールで無口な還騎が、やけに多弁だった。

「因幡先生が死神として高い素質を持つ舞白先輩を引き取り、その才能を引き出すべく英才教育を施した…結果彼女は、一目置かれるほどの天才死神として成長し、天神学園最強の称号を得るまでになった…」

「……」

何も言わない兆志。

還騎は構わず続ける。

「そりゃあ舞白先輩が天才死神として名を馳せるのも当然です…義父であり師匠である男性は、かつての死神天神地区地区長だった男なんですから…」