「神楽 七星さん…天神学園には慣れましたか?」

兆志の問いかけに。

「えーと…」

言葉を濁す七星。

無理もあるまい。

この学園は七星が去年まで通っていた中学とは何もかもが違うのだ。

ロボット、人外、幽霊まで存在するクラス。

更に学園全域を見れば、それ以外の種族も存在する。

ただの人間でしかない七星には、まるで異世界のような場所だ。

「ですが、何も怖がる事はないですよ?」

温厚な眼差しを向ける兆志。

「この学園は『桜の結界』によって、憎しみや殺意による争いは全て禁じられています。人ならざるものも確かにいるにはいますが…だからといって彼らが普通の人間である神楽さんの命を奪うような事はありません。心配は要りませんよ」