その後何度か甘いキスが降ってきて、雅樹はギュッと私の身体を抱き締めてきた。
「…柔らかくて温かいんだな、あかねは」
「そ、そーかな…?」
「うん。女の優しさを感じる」
お、女の優しさ…?
そんなコト、言われたことないよ〜。
……てか、雅樹ってこんなキャラだっけ?
いつもみたいな素っ気なくてぶっきらぼうな感じはどこに行っちゃったの???
「ずっとこうしてたいけど、俺…塾に行ってくるから」
「あ、うん。明日テストなら頑張ってね」
「ああ」
雅樹は名残惜しそうに私の身体から離れて、持ってきていた荷物を手にした。
「またメールする」
「うん。待ってるね」
「じゃーな」
そうして私に軽く手を振ってきた雅樹に私も笑顔で手を振って、その背中を見送った。
ドキドキしたぁ〜〜。
ドキドキしたけど…、悪くないドキドキかも。
雅樹と密着できて嬉しい。
そう…、嬉しい方が明らかに上回ってるんだ。
こんなあっさりとファーストキスが、雅樹とのキスが…叶うとは思ってなかった。
私はそっと、さっき雅樹が触れてきた自分の唇に指を置いた。
私…、今ニヤケてるかな?
それでも構わない。
だって今、すっごく幸せなんだもんっ!!
風は相変わらず冷たいけど、私の心はとても温かい。
私は一人きりになった公園を、軽い足取りで後にした。
だけど…まさかそんな雅樹とのラブラブな様子を公園の外から誰かに見られてるなんて…思わなかったんだ。
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