「倉本ってさぁ、絶対みんなの前で好きな人とイチャイチャする感じのキャラじゃないじゃん?」



「あ、まぁー…いつも素っ気ないし、ウザいオーラ出てるし…」



「はははっ!何その『ウザいオーラ』って!でもアイツさぁ、ホントにウザいヤツは徹底的に無視するでしょ?」



「あー、そーかもしれない」



「だからさぁ、友達にしつこくからかわれてつい口から出ちゃっただけなんじゃない?『ただのダチ』だって。まぁ実際付き合ってないわけなんだから、ウソではないし。たぶんアイツにしてみたら、こんなことであかねちゃんが傷ついてるなんて思いもしなかったんじゃないかな〜?」



「あっ、それはあるかもね。倉本からしてみたら、事実を述べただけなのかも。それに去る者追わずみたいなとこもあるし…」






映美佳もあゆに同調しながら、フォークできれいに切ったチョコレートケーキの欠片を口に頬張った。






「え?じゃあ、別に私のコト……」



「アイツにとっては自分の気持ちと事実は別問題なんでしょ。だから、まだまだ分かんないよ。あかねちゃんがもっと攻めれば案外簡単に落ちるかもよ〜」



「そっか。『友達』ってのは倉本の気持ちじゃないんだ。単なる事実…」



「そーそー。あんな発言気にしないで、倉本とななっぺのステージ見ても良かったのに」



「そーだったんだ……」






やっぱり二人に相談してみて良かったかも。





私…、完全に勘違いしてた。