<綾斗side>
先輩を乗せて行く自転車。
他の人からどう見えてますかね。
・・カップルのように見えますかね。
・・・こんなこと思うの、女の子みたいとか言いますか?
・・それぐらい嬉しい。
背中に感じる七海先輩の温もり。
・・・あ今、力入った。
「先輩に見せたい景色があるんです。先輩のために見つけた景色。この細道の奥に」
「加瀬くん!怖いんだけど!」
・・・あれ。聞こえてないみたい。
「運転上手いですから、つっかかりませんよ」
そう言いながらもちょっと緊張すんな・・。
・・もう直ぐかな。
あの景色。
ちらっと先輩を見ると下向いてんじゃん。
「七海先輩。一旦ひらけますよ」
・・・見えてきた。
「え・・。こんな狭いのに・・・・・・」
ゆっくりと顔を上げた先輩が目を丸くしたのがわかった。
その目は花達によって更に輝いていた・・・。

