12月になって、最初の金曜日、いつもの診察予約の日だったから、学校帰りに病院行った。
いつものように待ち合いで待ってたら、お姉ちゃんが潤を抱いて来た。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「美奈が来てると思って来たのよ。」
「なんで?」
「美奈も私もインフルエンザの予防接種してなかったでしょ?今日、予約したから。」
「えっ、聞いてないよ。今日するの?」
「うん。今日の昼にね、修からまだだったからおいでって言われて、美奈も一緒に予約したの。がんばろうね。」
「・・・」
「美奈、ごめんね。連絡しないで。でも、した方がいいんだから頑張ろうね。」

診察室に入ったら、慶太が「美奈?今日、インフルエンザの予防接種の予約も入ってるね。熱計ろうね。」って体温計を脇に挟んできた。
ピピピッ 
慶太が体温計をとって「36度4分平熱だね。じゃあ、診察するよ。服めくれる?ゆっくり息して・・・はい、いいよ。次はノドみるよ。あーんして・・・はい、いいよ。じゃあ、ちょっとがんばろうな。」って奥に行ったと思ったらすぐ戻ってきた。
「美奈?今、となりの修先生の診察室に優香さんいたけど、来てもらう?」
「ううん。大丈夫・・・涙」
「まだ、注射してないのに、泣かない、泣かない。ほら、腕だして。美奈は向こうむいてて。消毒するよ。」
「冷たい・・・」
「冷たかったね。じゃあ、頑張るよ。」って言ってすぐ、チクって痛みがきた。
「いたっ・・・うん・・・」
「はい、おしまい。よく頑張った。じゃあ、ちょっと待ち合いで休んでから帰ってね。薬はいつもと同じのを出してるからもらって帰って。じゃあ、気をつけてね。」
「うん。バイバイ。」