「美奈、まだ、いたんだ。俺終わったから、送ってくよ。」
「いいの。仕事は?」
「今日は、この外来で終わり。着替えてくるから、ロビーで待ってて。」といって行っちゃった。
待ってる間に、お姉ちゃんにメールしたら、ご飯食べてきてもいいよって返信があった。

慶太が来て、一緒に駐車場に向いながら、慶太が「美奈、すぐ帰った方がいい?何か食べに行きたいんだけど。」って聞いてきたから、お姉ちゃんにご飯食べてきてもいいって言われたって話しながら、車に乗った。

「今日は、美奈、注射に一人で来れたし、頑張ったもんな。何でもごちそうするよ。何が食べたい?」
「一人で病院くらい行けるもん。そんなに偉くないよ〜」
「ははっ。そうだな。じゃあ、注射で泣かずにがんばれるようになったら、お祝いしような。じゃあ、今日は、中華にするか?」
「うん。ねぇ、高校生にもなって注射で泣く子っていないよね・・・」
「いや。時々、いるよ。高校生くらいになると、泣いても我慢はしてくれる子が多いけどね。」
「ふーん。私の次に入っていった子。泣きながら出てきたよね?」
「えっ。あーあの子ね。あの子もたいてい泣いてるかな?美奈と同い年だと思うけど。」
「ふーん。注射が平気になるなんて考えられない。あっ。そうだ、慶太が私には二度と注射しないって決めればいいんだ。そうしたら、私だって病院くらい平気になると思う(笑)」
「いい考えだけど、約束できません。痛いって言ってもすぐ終わるんだからさ。ちょっと何か楽しいことでも考えてればいいんじゃない?」
とか注射の話をしながら中華レストランに着いた。